先日ご依頼頂きましたリペアのご紹介を致します。
Vivienne WestwoodのSV925のアーマーリングの変形直しと繋ぎです。

↓ご依頼時の状態↓

↓修理完了↓

リングは長く使うほどに愛着が増しますが、日常の着用や不意の衝撃で変形や破損が起こることもあります。特にVivienne Westwood（ヴィヴィアンウエストウッド）のSV925アーマーリングは、その独特な構造とデザインのため、変形やパーツの繋ぎ部分のトラブルが発生しやすい傾向があります。お気に入りのジュエリーが変形してしまったとき、「もう使えないのでは？」と不安になる方も少なくありません。しかし、適切な修理と専門技術があれば、美しいフォルムと着け心地を取り戻すことができます。今回ご紹介するのは、実際にご依頼いただいたVivienne Westwood SV925アーマーリングの変形直しと繋ぎ修理の事例です。お客様にも仕上がりを大変ご満足いただけた修理工程とポイントを、具体的にお伝えします。

アーマーリングは複数のパーツが連動して動く構造のため、強い力や落下によってリング全体の形が歪んだり、繋ぎのジョイント部分が外れたりすることがあります。SV925という素材は柔らかく加工しやすい反面、衝撃で変形しやすいという性質も持っています。今回お預かりしたリングは、前面のパーツが大きく歪み、着用すると関節部分の動きがスムーズにいかない状態でした。さらにジョイントの繋ぎも緩みが出ており、このままでは使用中に外れてしまう危険がありました。

修理工程ではまず全体の歪みを丁寧に確認し、各パーツの位置関係を正しい角度に戻す作業から始めます。ここで重要なのは、単に形を直すだけでなく、アーマーリング本来の可動性と装着感を損なわないよう微調整することです。SV925は力を加えすぎると金属疲労を起こしやすいため、専用の工具と経験豊富な職人の感覚によって少しずつ矯正します。

次に、ジョイント部分の繋ぎ直しを行います。繋ぎが弱くなるとリングのパーツが分離してしまい、使用中に紛失するリスクがあります。今回は強度を保ちながらも動きがスムーズになるよう、ジョイントの軸部分を再加工し、適切なテンションで固定しました。この調整が甘いと動きが固くなり、逆に緩すぎると外れやすくなるため、まさに職人技が求められる工程です。

修理が完了した後は、全体の仕上げ研磨を行います。SV925特有の美しい輝きを取り戻すため、細かな傷を取り除き、表面を鏡面仕上げに。変形していた箇所や繋ぎ部分はほとんど分からないほど自然な状態に復元されました。お客様からは「新品のように蘇った」と喜びのお言葉をいただきました。

Vivienne Westwoodアーマーリングの豆知識
Vivienne Westwoodのアーマーリングは、1970年代後半からブランドのアイコン的存在として愛されてきました。その独特のデザインは、騎士の鎧をモチーフにしており、指全体を覆う大胆なフォルムと可動式の構造が特徴です。SV925（スターリングシルバー）素材のものは、銀特有の経年変化「燻し」が味わいを深め、ヴィンテージ感を楽しめる点も魅力のひとつです。ただし、柔らかい金属であるため、日常使いでは変形やジョイントの劣化が起こりやすく、定期的なメンテナンスがおすすめです。

アーマーリングの修理を依頼する際のポイントとしては、ブランドの構造を熟知している職人がいる店舗を選ぶこと、修理内容と料金を事前に明確にしてもらうこと、そして仕上がり保証の有無を確認することが挙げられます。また、修理後も長く愛用するためには、使用後の柔らかい布での拭き取りや、湿気を避けた保管が大切です。

今回のように変形や繋ぎの不具合があっても、適切な修理でアーマーリングは再び輝きを放ちます。大切なジュエリーを長く楽しむためには、トラブルが起きたら早めに相談することが何よりも重要です。Vivienne Westwoodのアーマーリングは、その存在感とデザイン性から一生ものとして愛されるアイテムです。もし今、お手持ちのリングに不具合がある場合は、諦める前に修理を検討してみてください。専門的な技術と経験があれば、思い出と共にその輝きを取り戻すことができます。

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