歯科治療で使用した銀歯も実は資産になる!買取してもらうには?

過去の歯科治療で使われた「銀歯」。治療が終わり役目を終えた後、どうすれば良いか分からず、そのまま手元に保管している方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、これらの銀歯も、含まれる金属の種類や量によっては価値があり、専門の業者に買い取ってもらえる可能性があります。金歯と同様に、銀歯もまた「隠れた資産」となり得るのです。しかし、金歯とは異なり、銀歯の買取には特有の知識や注意点があります。この記事では、「銀歯を売りたいけれど、どうすれば良いか分からない」という方に向けて、銀歯がなぜ売れるのか、その価値の源泉、売却する際の準備や業者の選び方、そして少しでも有利に売るためのコツについて、詳しく解説していきます。正しい知識を身につけ、お手元の銀歯に秘められた価値を見出しましょう。

銀歯に価値はある?買取の仕組みと対象となる金属

「銀歯も売れるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。確かに「銀」という文字から、金に比べて安価なイメージがあるかもしれません。しかし、歯科治療で用いられるいわゆる「銀歯」は、純粋な銀だけでできているわけではなく、価値のある他の金属が含まれていることが一般的です。

銀歯の主な素材「金銀パラジウム合金」とは?

保険診療でよく使われる「銀歯」の多くは、正式には「金銀パラジウム合金」と呼ばれる歯科用金属です。この合金は、主に銀、パラジウム、金、そして銅などの金属を混ぜ合わせて作られています。それぞれの金属が持つ特性、例えば、銀の加工のしやすさ、パラジウムの耐食性や硬さ、金の化学的安定性などを組み合わせることで、口腔内という過酷な環境でも長期間機能する歯科材料として利用されています。 特に近年注目されているのが「パラジウム」です。パラジウムはプラチナなどと同じ白金族元素の一つで、自動車の排ガス浄化装置の触媒や電子部品など、工業分野で広く利用されており、その需要の高まりから価格が大きく変動し、時には金よりも高値で取引されることもある貴金属です。銀歯には、この価値あるパラジウムが一定量含まれているため、買取の対象となるのです。

なぜ銀歯が売れるのか?金属としての価値

銀歯が売れる理由は、そのものが歯科材料として再利用されるからではありません。買取業者は、買い取った銀歯を専門の精錬業者に送り、そこから金、銀、パラジウムといった貴金属を抽出・精製します。そして、これらの精製された貴金属が再び工業用材料や投資用として市場に供給されるのです。 つまり、銀歯の価値は、その「素材」としての価値、特に含有される銀、金、そして近年価値が高まっているパラジウムといった貴金属の量と、その時々の市場価格によって決まります。そのため、見た目が古かったり、小さかったりする銀歯でも、価値のある金属が含まれていれば、買取の対象となるわけです。ただし、過去に使用されていたアマルガム(水銀を主成分とする合金)製の詰め物などは、健康への影響や処理の観点から買取対象外となることがほとんどです。

銀歯を売る前に確認!準備と注意すべきポイント

銀歯を売却する際には、いくつかの準備と注意点があります。これらを事前に押さえておくことで、スムーズな取引が可能になり、また、不当に低い価格で買い取られるリスクを避けることができます。

銀歯の取り外しは必ず歯科医院で

金歯と同様に、現在お口の中に装着されている銀歯や、歯にしっかりと付着している銀歯を自分で無理やり取り外そうとすることは絶対に避けてください。残っている自分の歯を傷つけたり、歯茎に出血や炎症を引き起こしたりするだけでなく、銀歯自体を損傷させてしまう可能性があります。銀歯の取り外しは、必ず歯科医師の判断のもと、適切な器具と技術を持つ歯科医院で行ってもらうようにしましょう。治療の過程で不要になった銀歯は、通常、患者に返却されます。その際に、売却を検討している旨を伝えれば、取り扱いについてアドバイスがもらえるかもしれません。

歯やセメントなどの付着物はどうする?

治療で取り外された銀歯には、歯の一部や歯科用セメント、レジン(プラスチック)などの不純物が付着していることが一般的です。これらの付着物は、最終的に貴金属の正確な重量を測定する際に取り除かれることになります。多くの歯科金属買取専門業者では、この不純物の除去と分析を無料で行ってくれます。自分で無理に不純物を取ろうとすると、銀歯本体を削ってしまったり、破片を失くしてしまったりする可能性があるため、基本的には専門業者に任せるのが賢明です。ただし、あまりにも多くの歯や異物が付着していると、正確な初期査定が難しくなる場合もあるため、簡単に取れそうな大きな付着物があれば、事前に業者に相談してみるのも良いでしょう。

信頼できる買取業者の選び方

銀歯の買取を依頼する業者選びは非常に重要です。まず確認すべきは、業者が「古物商許可」を取得しているかどうかです。これは、中古品の売買を合法的に行うために必要な許可で、信頼性の基本的な指標となります。次に、歯科金属の買取実績が豊富で、専門的な知識や分析設備(蛍光X線分析装置など)を持っているかを確認しましょう。これにより、銀歯に含まれるパラジウムや金、銀などの含有量を正確に分析し、適正な価格を提示してくれる可能性が高まります。 また、査定方法の透明性も重要です。目の前で計量してくれるか、分析結果をきちんと説明してくれるか、手数料(分析料、溶解手数料、振込手数料など)の内訳が明確であるかなどを確認しましょう。ウェブサイトの口コミや評判も参考にしつつ、複数の業者を比較検討し、疑問点には誠実に対応してくれる業者を選ぶことが、後悔のない取引に繋がります。

銀歯を少しでも高く売るためのコツ

銀歯を売却する際に、いくつかの簡単な工夫をすることで、査定額が少しでもアップする可能性があります。手間を惜しまず、できることを試してみましょう。

複数の業者に見積もりを依頼する

最も基本的かつ効果的な方法は、複数の買取業者に査定を依頼し、見積もりを比較することです。業者によって、得意とする金属の種類、査定基準、手数料体系、そしてその時々の在庫状況などが異なるため、同じ銀歯であっても買取価格に差が出ることがあります。最低でも2~3社に見積もりを依頼し、提示された査定額だけでなく、手数料の内訳や支払い条件なども含めて総合的に比較検討することで、最も有利な条件で売却できる業者を見つけやすくなります。手間を惜しまずに相見積もりを取ることが、高価買取への近道です。

金属相場を意識する(特にパラジウム)

銀歯の買取価格は、銀、金、そして特に重要なパラジウムといった含有金属の市場価格(相場)に大きく左右されます。これらの金属相場は日々変動しているため、売却するタイミングによって買取価格も変わってきます。可能であれば、主要な含有金属である銀やパラジウムの価格が高騰している時期を狙って査定に出すと、より高い価格で買い取ってもらえる可能性があります。ただし、相場の先行きを正確に予測することは困難であり、高値を待ちすぎると逆に価格が下落してしまうリスクもあります。日頃から金属相場の動向に注意を払い、自分なりに納得できるタイミングで売却を決断することが大切です。

他の貴金属とまとめて査定に出す

もし銀歯以外にも、不要になった金歯や、古いジュエリー(指輪、ネックレス、ピアスなど)、金貨、工業用の貴金属スクラップなどがあれば、それらも一緒にまとめて査定に出すことを検討してみましょう。多くの買取業者では、複数の品物をまとめて査定に出すことで、一点あたりの査定額を若干上乗せしてくれたり、手数料を割引してくれたりする場合があります。また、少量では買取をためらうような品物でも、他の価値ある品物と一緒であれば、まとめて買い取ってもらえる可能性も高まります。家の中を見渡し、他にも売却できそうな貴金属がないか確認してみると良いでしょう。

まとめ

治療を終えた銀歯や、遺品として出てきた銀歯も、決して価値のないものではありません。それらに含まれる銀、金、そして特にパラジウムといった貴金属は、専門の業者によって適切に評価され、買い取ってもらうことが可能です。売却を検討する際には、まず信頼できる業者を選び、できれば複数の業者から相見積もりを取ることが重要です。また、金属相場の動向を意識したり、他の貴金属と一緒に査定に出したりすることも、少しでも有利な条件で売却するための工夫となります。この記事で得た知識を参考に、お手元の銀歯に新たな価値を見出し、賢いリサイクルにつなげてください。


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