金は古くから貴重な財産として人々に重宝されてきました。金は他の金属と比べて錆びにくく、加工しやすく、美しい光沢を持っています。また、通貨としての機能も果たしており、国際的な決済手段としても利用されています。金は不変の価値を持つと言われていますが、実際には金の価格は市場の需給や世界情勢などによって変動します。近年、金の価格は高騰傾向にありますが、その背景にはどのような要因があるのでしょうか。

金の価格高騰の現状

金の価格は国際的な金相場によって決まります。金相場は、ニューヨーク、ロンドン、東京、香港、シンガポールなどの主要な金市場で取引される金の価格を指します。金相場は、金の需給や世界情勢、金利や為替レート、インフレ率などの経済指標に影響を受けるため、金の価格はこれらの要素の変化に敏感に反応します。金価格の高騰は、さまざまな要因によって引き起こされますが、その中でも主要な理由は、需要増加による供給不足、ドル高・円安、不確実性の高まり、インフレへの懸念、各国の金購入、世界的な低金利などです。これらの要因が組み合わさって、金価格が上昇する傾向にあります

金の価格高騰の原因

金の価格は、2020年8月に史上最高値となる1オンスあたり2069ドルを記録しましたその後、一時的に下落しましたが、2021年に入ってからは再び上昇傾向にあります。金の価格が高騰する理由には、以下の3つの要因が考えられます。

世界情勢の不安定さと金価格の関係

世界情勢が不安定になると、金は安全な資産として人々の注目を集めます。政治的な混乱や戦争、テロ、自然災害などの危機的な状況においても、金はその価値を保つためです。また、経済に対する先行きの不透明感からも、金を買う動きが起こります。そのほか、国や政府に依存しない国際的な通貨としても機能するため、国際的な信用不安や金融危機などの場合にも、人々の信頼を得られるため金が買われます。

近年の世界情勢は、新型コロナウイルスの流行、米中の対立や中東の紛争、北朝鮮の核問題、ロシアによるウクライナ侵攻など、様々な不確実な要素によって不安定になっています。これらの状況が金への投資や購入の需要を高めており、それが金の価格高騰につながっています。

インフレ率の上昇と金への投資需要

金は、インフレ率の上昇に対してのヘッジとしても人々に選ばれます。インフレ率とは物価の上昇率のことで、インフレ率が高くなるとお金の価値が下がります。そのため、物価が上昇することで相対的に資産価値が減少するリスクを回避することをインフレヘッジといいます。

インフレ率が高くなる原因には、経済の過熱や貨幣の増発、原油や食料などの資源の高騰などがあります。インフレ率が高くなると、人々はお金を貯めるよりも、価値が下がらない資産に投資する傾向があります。金は物価の変動に影響されにくく、不変の価値を持つと考えられているので、インフレ率の上昇に対する資産保護としても機能します。近年、世界的にインフレ率の上昇が懸念されている影響から金への投資需要が増え、金の価格高騰に寄与しています。

低金利政策の影響

低金利環境では、銀行預金や債券などの利回りが低下するため、投資家はより良いリターンを求めて金などの他の資産へと目を向けます。また、低金利はインフレ加速につながる可能性があり、金はインフレヘッジとしての役割を果たします。金は配当や利息を生み出さないため保有するコストが発生しますが、金利が低いときは保有コストも相対的に低くなるため、金への投資が魅力的になります。さらに、不確実性が高まる時期や経済的な不安定性がある場合、安全資産としての金への需要が増加します。

金の供給不足とその影響

金の価格は、金の供給と需要のバランスにも影響されます。金の価格は、金の供給が金の需要を上回ると下がり、金の需要が金の供給を上回ると上がります。

金の供給には、金の採掘量と金の再利用量があります。金の採掘量は金鉱山の開発や技術の進歩によって増減し、金の再利用量は金の買い戻しやリサイクルによって増減します。また、金の需要には、金実需と金の投資需要があります。金実需は金の宝飾品や工業製品などの消費によって増減し、金の投資需要は金の金貨や金塊などの購入によって増減します。近年、様々な要因から金の実需や金の投資需要が増加しています。そのため、金の供給不足と需要過剰とい状況を生み出しており、金の価格高騰の要因となっています。

まとめ
金の価格は様々な要素によって変動しますが、近年は高騰傾向にあります。高騰の背景には、世界情勢の不安定さと金への安全資産としての需要、インフレ率の上昇と金へのヘッジとしての需要、金の供給不足と需要過剰というギャップがあります。金はこれらの状況においてもその価値を保つと信頼され、人々は金を購入し、また投資対象とします。金の価格は、今後も市場の動向や経済指標によって変化する可能性がありますが、長期的に見ても安定した資産としての魅力を持ち続けるでしょう。

一方で金の高値が続いている今は、金買取のチャンスでもあります。ぜひ一度バイセラジャパンをお訪ねください。